
膝蓋骨内方脱臼について
[2015年06月09日]
東海地方もついに梅雨入りしました
ついにと言ってもほぼ例年どおりですが・・・
この雨の日々が終わると本格的に夏になりますね
真夏も5月のようにカラッと暑ければいいのになと思います。
夏暑く、冬は寒いこの辺りでは難しいでしょうが・・・
将来は涼しいところに住みたいです
さて、今日のテーマは膝蓋骨の内方脱臼です
診察で「膝のお皿が外れてる」と言われたことはありませんか?
もしくは歩いている時に後ろ足をケンケンさせているのを見たことは?
膝蓋骨というのはいわゆる「膝のお皿」のことです。
これが内側にズレることを内方脱臼と言います。
つまり簡単に言うと膝のお皿が本来あるべき場所より内側にズレている状態です。
大まかですが、当院だと小型犬の80%程度がこの状態になっています。
ほぼみんなですね
でも跛行を示したり、肢を痛そうにするこはごく一部です。
上に書いたようなケンケンをするワンちゃんも少数です。
よく「痛そうにしてないんだけど、そのままにしておくとどうなるの?」と聞かれます。
多くの場合、将来的にもオーナーさんがわかるような跛行はほとんど示しません。
ではどうして獣医さんから治療をすすめられるのでしょうか?
それは、膝のお皿が常に外れるようになると、後ろ足の骨の変形が起こってくるからです。
この変形は何年もかけて起こるので、オーナーさんが気づくことはほとんどありません。
また、ワンちゃんは4本足で生活しており前足に頼ることができます。
そのため、軽快に元気よく歩いているように見えるのです。
後肢の骨の変形・慢性的な脱臼により、
①立ち方の異常
②前十字靭帯断裂の可能性アップ
③脱臼による関節軟骨損傷
などの症状が出てきます。
これらが起こって初めて跛行がでますが、
この段階での手術は軽傷の時と比べて難易度が上がっており、再手術の可能性が高くなります。
このことより、当院ではある程度悪化した場合には手術をおススメしています。
今日は長く書いてしまいました。次回は治療について書きますね。