
セミナー報告(後編)
[2016年07月05日]
後編を投稿したと思ったら投稿できていませんでした。
気づけば一か月・・・ 遅くなって申し訳ありません。
後編の開始です。
②骨盤骨折ですが、骨折の中でも難易度が高いものに分類されます。
なぜかというと、
・筋肉が厚く骨にまでアプローチしにくく、骨の操作がしにくい
・坐骨神経という太い神経が近くにあるため、操作がしにくい
・骨盤が骨折するということは高エネルギー外傷なので、骨折部位が複数あることが多い
などが挙げられます。
実際に手術をすると坐骨神経が邪魔でしかたありません
この神経を損傷すると、骨折は治ったのに歩けない・・・って事になりかねません
神経になるべく触らないようにしたいけど、そうすると上手く整復できないし・・・
そんなこんなで骨盤骨折の手術はドキドキです
③TPLOですが、脛骨高平部水平骨切り術といい、前十字靭帯断裂の治療法の一つです。
前十字靭帯断裂の治療は、靭帯が切れたことによる膝関節の動揺を抑えることを目的として行います。
これまでやられてきた方法は、関節の内または外側に靭帯の代替物を置き、動揺を抑えてきました。
しかし、TPLOは脛の骨を切り矯正することにより関節の動揺を防ぎます。
ほとんどの小型~大型犬で適応可能ですが、特に中・大型犬で有効だと言われています。
中・大型犬の場合、使用した靭帯の代替物が時間の経過とともに緩んでしまい、
跛行の改善が見られないことがあります。
そのため、靭帯の代替物を使用しないこの方法を選択することが多いです。
ただ、特殊な器具が必要であり、また手術の経験を重ねることが必要なため、
実施できる施設は限られています。当院もまだ導入していません
導入することになったらまたご報告しますね。
6月上旬のセミナーで勉強してきたものはざっとこんな感じです。
専門性の高いセミナーは刺激を受けて楽しいです。
セミナーに参加することにより休診にしなければならず、ご迷惑をおかけしています。
休んで勉強した分だけ診察に還元していきます
よろしくお願いします。